『津軽』の魅力についてご紹介
JR大湊線 〜下北半島の旅〜


「津軽の私鉄」と題して書き綴ってきましたが、ここで下北の鉄道についてもご紹介します。

「JR大湊線」は、野辺地駅と大湊駅を結ぶ路線です。かつて下北には、「大畑線」という鉄道路線がありました。大畑線は下北交通が運営し、むつ市の下北駅で大湊線から分岐し、大畑町(現・むつ市)の大畑駅までを結んでいましたが、経営困難や車両や施設の老朽化を理由に、2001年に廃止されました。
「JR大湊線」は野辺地が始発駅ですが、一部快速列車は八戸や青森に直通しています。時間は約2時間弱かかりますが、むつ湾の海岸線を走るので、とても素敵な景観が楽しめる、のんびりとした鉄道路線です。
青森駅からは、むつ湾を囲む「快速しもきた」に乗車します。高校生の通学や、沿線のおじいちゃんおばあちゃんの足代わりに使われている光景が、各駅に停車するとよくわかります。意外と電車の中が満員になるのに驚かされました。
特にJRの本州最北端駅は「大湊駅」ですが、一つ手前の「下北駅」で多くの乗客が下車します。それは、むつ市の中心街は「田名部」という地名にあり、田名部には「下北駅」が近いのです。

大湊には、自衛隊の海軍基地があり、昔からここの釜臥山には大湊の通信基地があったり、軍事的にも大事な拠点のようです。元々は大湊田名部市役所からはじまり、昭和28年の市町村合併で新しくむつ市になり、役所が田名部方面に移動したということです。

大湊駅で下車して、大畑方面へ車で30分ほど走ると「薬研温泉」があります。そこには「古畑温泉」という旅館があり、総ヒバ造りの立派なお湯があります。500円で入浴だけでもできるので、訪ねてみる価値はあります。

下北と言えば、日本三大美林のヒバです。木の香りはとてもリラックスさせる効用があります。またこの場所は、秋はすばらしい紅葉の場所で、近くの河原を散策するコースもあり、無料の混浴露天風呂「カッパの湯」があります。

今回、ここを訪れたのが3月中頃なので、雪のためにお湯場には近づけませんでしたが、案内してくれた方が「特別に道路端に無料の露天風呂がある」というので行ってみると、なんとも豪華な露天風呂がありました。若い女の子も平然とこの露天風呂に入るようなので、男子諸君の目の保養もできるのが特徴だとか。この露天風呂は、奥薬研温泉に行く途中の右側の河原にあります。是非、お出かけの方はこの場所を見つけて楽しんできては、と思います。おすすめです。

 
この無人露天風呂を発見する目安は、道路脇のガードレールの切れ目を見つけることです


3月は波風の強い季節。この鉄道沿線は、むつ湾からの強い風で電車が止まることがよくあると聞きます。この日も車内のアナウンスで「強風の為に途中電車が止まる場合があります」と脅かしをかけられながら、電車は野辺地駅へと向かっていました。JR五能線の日本海の波の高さにも匹敵するような波しぶきがたっていたのがとても印象的でした。
 

下北半島は、至るところに温泉があり、大間崎のマグロ、下風呂温泉のアンコウ鍋、脇野沢の鱈料理、そして意外や意外でイノシシ鍋が食べられます。むつ市には恐山があり、恐山街道の途中には、美味しい「みそ貝焼き」のお店もあります。また、お酒は「関乃井」酒造があり、寒い季節はとても体の中から温まります。

海からの新鮮な魚介類と温泉が楽しめる下北半島。一度出かけてみてはどうでしょうか。
今年青森県は、新幹線開業記念キャンペーンが目白押しです。きっといい出会いが待ってますよ。