その他の活動・出来事

2006年秋の白神山地エコロジー体験ツアー


今回のエコロジー体験ツアーは、秋田県側から世界遺産の核心地域を望むツアーでした。白神岳・岩木山・二ツ森・摩須賀岳の眺望が楽しみでしたが、あいにくの雨で遠くまで見渡すことはできませんでしたが、近くの山々の紅葉やブナのみずみずしい姿に参加者は感動していました。

【10月7日(土)】 一日目は、自然学校で「白神山地の由来」と「青秋林道問題」について学習しました。その後、深浦町の甕杉(菅江真澄が名付け親の推定1000年の杉)を見ました。

このあたりは北前船が交易をしていた地域で、能代・深浦・鰺ヶ沢港はその寄港地でした。鯵ヶ沢町の町のど真ん中には、鯵ヶ沢町の港奉行跡地があります。そこには今でも地下水が沸いていて、その向かいに鯵ヶ沢町警察署があります。また、奈良時代・平安時代・元禄時代・江戸時代、弘前藩がこの地区のケヤキ・ヒバ・スギ・キハダを伐採し、船で運んだ歴史を紹介しながら歩きました。また、日本一のイチョウの木も見ました。

そして、十二湖を散策し、青池・沸き壺の池・十二湖のブナの原生林を歩きました。小雨が降っていましたが、みずみずしいブナ林の中は爽やかな気持ちになりました。
 

【10月8日(日)】 次の日は、朝6時30分に食事を済ませ、7時過ぎには宿を出発して真瀬岳登山道入り口を目指しました。この日は、ネイチャー協会の植樹祭の日と聞いていましたが、真瀬岳の方面は誰も行かないと言われていました。参加者は雨合羽を用意し、「さあ、出発!」と言って進むと、目前の真瀬川の水量が一杯です。コースを迂回し、秋田杉の木立ちの中を進み、急激な坂を登りました。約1時間近く歩くと、少し視界も開けてきました。小雨が続いていたので雨合羽の中は汗でぬれていましたが、少し晴れ渡ってきたので気持ちよく登りました。2時間半ほどかかりましたが、途中、きれいなブナの幹と、雨がその幹を流れるシーンを見ました。また、上に行けば行くほど紅葉が見られ、参加者は感動していました。

そして、真瀬岳山頂(988m)に到着。「バンザーイ」と叫んだ瞬間、お腹がすいたのでしょう、リンゴをかじる人があらわれました。達成感もあり、リンゴがとてもおいしかったようです。下山したのはお昼頃。帰り道、ぶなっこランドでは植樹祭の閉会式が行われていて賑わっていました。そこで昼食をとり、ハタハタ館でお風呂に入浴、日本海を眺めながら青森駅に向かいました。このコースは、五能線と共に走るコース(道路)なので、参加者はとても楽しかったようで、「今度はもっと海側を五能線に乗って夕日をみたい」と言っていました。またどこかでお会いできることを楽しみにしています。

最後に、松食い虫が能代の「風の松原」まできていて、青森県側に入るのを防ぐために、深浦町(旧岩崎村)では、松食い虫の駆除対策が施されていました。効果がどのようになるかはまだこれからです。
 
松の木が全部伐採された地域          松の木にビニールをかぶせる