白神山地エコロジー体験ツアー
2010年春の白神山地エコロジー体験ツアー


6月12日(土)〜13日(日)、春の白神山地エコロジー体験ツアーを実施しました。今回のツアーは天候もよく、素晴らしい快晴のツアーとなりました。

■6月12日(土) 第1日目  〜白神周辺の歴史と文化を学ぶ〜

五所川原市の「立佞武多の館」で、津軽平野の火まつりで有名な立佞武多を見学。

今年の立佞武多のテーマは「叉鬼」です。高さ22mの立佞武多が展示されていました。
(写真右)

参加者は一応に首が痛いといいながら、高さのある立佞武多を見上げていました。

エレベーターで四階まで移動し、そこから螺旋状に立佞武多の周囲を見回しながら下りてきました。途中、8分間のスライドを鑑賞し、立佞武多の歴史を堪能しました。

  

太宰治の生家「斜陽館」を訪ねました。地元ガイドの説明を受けながら館内を見学しました。「どうしてこの津軽の田んぼのど真ん中にこういう立派な家が建ったのか不思議だね」、「長男と次男では、昔は格が違っていたから、自分を育ててくれたタケさんが一番親しみやすかったんだろうね」などと語りながら、館内を一巡しました。小説「津軽」の世界を知り、とても感動していました。

つがる市の「ベンセ湿原」に行きました。ニッコウキスゲのオレンジ色がとても鮮やかな湿原には、心地よい浜風が吹いていました。各自お弁当を持ち、途中の東屋で昼食をとりました。地元婦人会の方から、お茶とコーヒーのサービスも受けました。

  

ノハナショウブの紫色も鮮やかで、オオセッカの鳴き声があちらこちらでさえづり渡り、とても気持ちよい時間を過ごすことができました。

  

鰺ヶ沢町へ移動し、「くろくまの滝」に行きました。「日本の滝100選」に選ばれている、水量あふれる大きな滝の醍醐味を味わいました。

宿泊は、白神自然学校です。明日登山する「天狗岳」と「白神山地の由来」の授業を受けました。その後参加者は入浴をすませ、地元婦人会の山菜料理に舌鼓をうちました。タケノコ・ウドの天ぷら、ワラビのカラシ和え、ボンナのみそ汁など・・・・本当の田舎料理ですが、素朴な季節料理がとても良いとお褒めの言葉を頂き、料理人も喜んでいました。

 


■6月13日(日) 第2日目  〜天狗岳登山〜

朝6時に起床し、朝食後7時に自然学校を出発しました。ガイド(またぎ)の大谷石捷さんの案内で、天狗峠を目指します。白神山地の春はとても遅いです。登山道の途中には、まだ遅い白神の春の花たちが咲いています。

  
ユキザサ               チゴユリ

  
スミレサイシン             ノウゴウイチゴ

  
タムシバ                イワカガミ

  
フキノトウ        マイズルソウ       ヤマツツジ

  

登山の途中、またぎの熊撃ちの話や木々の話のほか、エコロジー体験ツアーが自然を守る活動の一端であること、NPO法人としての白神山地を守る会の取り組みなどの説明をすると、参加者は魅了されたようで、登山していることを忘れるくらいに話に夢中になっていました。途中振り返ると、津軽が誇る岩木山や白神岳、赤石ダムなどの景観が見えます。

  

ブナ林は直射日光を遮り、とても涼しい環境で登山ができました。ゆっくり時間をかけて山頂に到着しましたが、この日は三組しかパーティーはなく、まさに観光ツアーとは違った、エコロジー体験ツアーを満喫しました。
参加者は天狗岳山頂の三角点にタッチし、360度パノラマの核心部分のブナ林に大きな満足感と達成感を感じていました。昼食のおにぎりは、新鮮な山の空気とマッチングしてとてもおいしいごはんとなりました。

この二日間を堪能した参加者からは、「また来てみたい」という話がありました。今年は天狗岳ツアーは秋まで続きますので、是非どこかのタイミングでまたご参加いただければ幸いです。参加者の皆様、お疲れ様でした。