青森市内でRanaclacla(ラナクラクラ) というアロママッサージを経営している鎌田雪野さんの提案で、青森県内に住んでいるアロマの仕事に従事しているセラピストの方々に、白神山地で採取できるクロモジを使った「セラピストのための蒸留体験ツアー」を実施したいと提案がありました。
10月14日(月・祝)、その体験ツアーは実施され、白神の研ぎ澄まされた自然の中で育ったクロモジをはじめとする山野草を観察しながら、大自然の空気を感じ、植物の持つ香りや形状を楽しみ、おいしい水を飲みながら作業しました。
この体験ツアーは「私たちが普段使っている精油は、どのように作られて私たちの手元に届けられているのか、実際に体験してみましょう」という趣旨で行われました。自分達で植物を採集して蒸留するという、一貫した体験をしました。クロモジは、全国各地の野山に生育する植物ですが、東北地方のクロモジはオオバクロモジといって、ラベンダーなどに含まれるリナロールという鎮静成分が多く含まれています。山で感じたクロモジの香り、蒸留した時の香り、そして出来上がった精油や採れたての蒸留水の香りを、その場で感じることができます(採れたて蒸留水100mlのお土産付でした)。
参加者は、ハサミと水筒・行動食を持参して、クロモジ採取をしました。そして、白神自然学校で準備した「おにぎり弁当」をいただき、山の中でコーヒーを沸かして飲みました。その後参加者は、ブナ林の散策を楽しみました。白神自然学校に戻ってからは、クロモジの葉っぱと枝の選別作業等を体験しました。みなさんとても喜んで帰られました。この体験ツアーは毎年実施していきたいと思っています。参加者のみなさん、お疲れ様でした。
クロモジと類似した木もあり、最初は中々オオバクロモジを探すのが一苦労でしたが、30分ほどすると判定もスムーズにいくようになりました。
森の中を、クロモジの香りを嗅ぎながら採取するのはとても楽しい、と笑顔で採取していました。
クロモジ採取後は、ブナ林の中をトレッキングをして楽しみました。10月半ばというのにまだ紅葉していない白神山地の中で、カツラの木が唯一黄色に黄葉していました。参加者のみなさんで、太いブナの木の前で記念撮影です。「ブナの森の独特な木の香りに癒されますね」と言いながら、ゆっくり森林浴を楽しみました。また、今年はブナの種がたくさん付いており、全員で記念に種拾いも楽しみました。
白神自然学校では、葉っぱと枝の選別作業をして、大きな窯に入れての蒸留作業を手伝いました。そしてオイルとウォーターの選別の作業、香りの確認作業を行いました。蒸留の為の加工室は満室で、クロモジの香りが部屋中に充満していました。
最後は、クロモジの蒸留後処理を外で行いました。窯を開けると、大きな蒸気と一緒にクロモジの香りが伝わってきて、「すごーい、まだこれだけ(香りが)残っているんだ」と驚いていました。この蒸留後の葉っぱと下に残った液は、ネットに入れて入浴剤と入浴液として、最後の最後まで使っていきたいと考えています。
また、みなさんで作業をしながら、クロモジの効用講座を実施しました。多く採取した葉っぱは、天日干しをして、冬の間に、袋詰め作業を行って「クロモジ茶」として販売する予定です。近々、新しい白神山地産の「クロモジエッセンシャルオイル」を販売します乞うご期待ください。
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