その他の活動・出来事
  『森は海の恋人』から東北の復興を考える
"つなげよう、支えよう森里川海" 推進志民会議IN 東北の開催


6月19日(金)、東北大学片平キャンパス生命科学研究科プロジェクト棟1階講義室において、『森は海の恋人』から東北の復興を考える"つなげよう、支えよう森里川海" 推進志民会議IN 東北が開催されました。
この会議には、環境省から中井徳太郎審議官も駆けつけました。『森里川海』から様々な恵みを得ている私たちの暮らしを次世代に残していく為に、今危機に直面している森里川海とそのつながりを取り戻す為に、ボトムアップで展開している取り組みです。【チラシ.pdf】

「森の危機」 森林の整備が十分に行われていない為に、人工林での貯水機能は低下しつつあります。その為、土砂崩れが発生したり、老齢化した人工林は、二酸化炭素の吸収機能の低下が進んでいることがあります。
「里の危機」 古来より、里山の自然は、人の手が加えられることで維持されてきましたが、都市近郊では大規模な宅地開発、地方では農林業の担い手が減少しています。また、雑木林の放置など、所有者の不在なども進み、手入れをしたくてもできていないという現状があります。人と森・里山の関係の変化は、近年増加しているニホンジカ・イノシシといった野生鳥獣による、農林水産業や生態系への被害が大きくなってきています。
「川・海の危機」 洪水等の災害を防止する為のダム・河口堰の整備は、河川の改修や、河川生態系の維持に必要な攪乱の機会を減少させています。
    『森は海の恋人』から東北の復興を考える
    "つなげよう、支えよう森里川海" 推進志民会議IN 東北


日時:平成27年6月19日(金) 13:30〜16:40

13:00開場    (総合司会:吉澤)
13:30〜13:40 主催者挨拶(畠山信、吉澤保幸)
13:40〜14:30 基調講演(畠山重篤、中井徳太郎)
基調講演@

畠山重篤
(NPO法人森は海の恋人理事長)

演題:森は海の恋人
    人の心に木を植える
基調講演A

中井徳太郎
(環境省大臣官房審議官)

演題:環境省「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトのねらい

14:30〜15:30 地域の取り組み発表
 川廷昌弘(株式会社博報堂広報室CSRグループ推進担当部長)
 演題:分水嶺に囲まれた海辺のまち南三陸を山から動かすプロジェクト
 酒田(佐藤)、南相馬(箱崎)、仙台(小川)、白神(永井)、南三陸(竹林)、
 その他会場参加者から2名程度 
 【永井雄人代表の発表資料データ.pdf】

取り組みを発表する永井代表

またぎの消滅は森里川海を分断したと語る

白神山地と陸奥湾の高温からホタテを守る植樹祭を長年続けてきた理由を語る

15:30〜15:40 休憩
15:40〜16:40 パネルデイスカッション
 コーディネーター:吉澤保幸(場所文化フォーラム名誉理事)
 パネラー:田中克、中井徳太郎、畠山重篤、川廷昌弘他
16:40〜16:45 閉会の辞(佐々木)


かつての里地・里山・里海は、地域住民が共同で作業を行う場でしたが、今では、人と自然・人と人のつながりが喪失したり、コミュニティーや地域の活力の低下、日本人の食や文化の喪失へと影響してきています。また、田舎の多くの人達が都市部へ居住し、自然と直接関わらない生活を過ごしています。
こうしたことから、自然の恵みを享受する機会は少なくなり、今では自然の中で遊ぶ子ども自体が、絶滅危惧種と言われるようになりました。もちろん、自然の恵みに対する感謝の意識の希薄化と、自然観の喪失も起こっています。
今回、森里川海と関わった取り組みをしている東北の現場の方々が、「森は海の恋人」の畠山重篤さんや、京都大学名誉教授の田中克先生による呼びかけの森里川海の取り組みに賛同して集まり、近い将来、国民運動として定着していこうということになりました。