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  JTB地域いきいきプロジェクト
ブナ林再生の取組と『植樹体験』報告


9月21日(土)午後から、JTBの社員と県内の地域の市民が一緒になり、元気な未来を創造していくSDGs活動として、今回、白神山地におけるブナ林再生の取組と『植樹体験』が実施されました。



参加者24名は、まず最初に、白神山地を守る会鰺ケ沢事務所がある白神自然学校一ツ森校にて、液晶を使って@鰺ケ沢町と白神自然の歴史、Aブナの植樹再生の取組についての授業を受けました。

授業では、世界遺産白神山地の面積の28%が鰺ケ沢町エリアで一番大きい面積を占めていることや、昭和20年3月未明、赤石川で鉄砲水が発生し、大然集落で76名の方が亡くなり、集落が全滅した事を通して、世界遺産前には奥山で、ずいぶんブナが伐られスギが植えられた歴史があったことなどが永井雄人代表理事から話されました。また、林野庁の森林生態系保護地域、ユネスコの自然遺産、そして環境省の鳥獣保護地域という法の網が何重にもかかっているのが白神山地であることも紹介されました。

東北森林管理局の津軽生態系保全センターがあるのも鰺ケ沢町で、現在、赤石川上流部では自然再生活動が進められており、白神山地を守る会も『クマゲラの森を守る復元・再生プロジェクト』を実施しており、今回もその活動の延長で実施している旨の話がありました。

白神山地を守る会では、自然遺産のブナの保全の為に、ブナの苗木は外から持ち込まないという理由から、赤石川流域の上流部のブナ林から4年〜6年ぐらいの周期で発芽するブナの種を採取し、一ツ森地区の休耕田を活用して栽培していることが話され、近くの苗床見学に出かけました。

また、白神山地周辺部ではどんぐりの木でもあるミズナラやコナラの木が枯れる現象が起きていることも話され、体調5mmぐらいのカシノナガキクイムシという昆虫が樹木に入り、枯らしていまう現象が起きていることを映像で紹介されました。
山のあちこちの木の葉が茶色くなっているのが見えると、そういう現象だということ、原因はどうも温暖化によって、この昆虫が飛んできた事が原因みたいだということが話されました。また、白神周辺の山では本来生息しない様々な動物たちが出没していることを定点カメラの映像で判明したことが説明されました。そして、ツキノワグマやイノシシ、ニホンジカやニホンザルが紹介され、約30分程度の授業を終えました。

そのあとすぐに、ブナの苗床に移動しました。苗床では実際に降車し、ブナの苗木に触ったりして冬芽が出ている現状や根が頑丈であることなどを確認し、今回の植林地である黒森地区の「白神自然学校遊々の森」に移動しました。

 

 

 

 

 



参加者は黒森林道を30分ほど歩き、植林地に用意されたブナの苗木の植林指導を五十嵐信夫スタッフから受けて各自1本のブナの植林体験を行いました。
参加者は事前に用意された支柱の場所の前に、苗木の根っこが隠れるぐらいの穴を掘り、根が枯れないように空気を抜くようにしっかり踏み固めるように説明を受け、植林体験を楽しんだのち、また林道を歩いて戻ってきました。
そして、近くの白神遊山道でトイレ休憩をはさんで今回の体験を無事故で終了しました。林道を歩いている時は、爆竹を鳴らしながら歩きました。参加者の皆さま、お疲れさまでした。いい汗をかきましたね。