その他の活動・出来事
3回「能登総合シンポジウム」開催報告
3rd Symposium of Integrated Studies on NOTO Peninsula


3月16日(金)〜17日(土)、珠洲市にある商工会議所において、第3回「能登総合シンポジウム」が開催されました。このシンポジウムには、白神山地を守る会と白神自然学校一ツ森校代表を務める永井雄人が、「津軽半島の特徴と抱える課題」(PDF)というテーマで発表を行いました。


 ≪ 能登総合シンポジウム 2012 ≫  ★新聞記事[PDF]

   3月16日13:00−3月17日16:00(会場:珠洲市 商工会議所)

 交流会
   3月16日18:30−20:00(会場:カフェ・ド・ランプ)

 サイエンスカフェ 今年の題は「その後の黄砂研究」
   3月17日14:30−15:30(会場:ラポルトすず内「E’cafe」)


◆ 開催趣旨 ◆ 能登は教育研究の場として様々な価値を持っている場所であります。その教育研究的価値は、今後の社会を作って行くために求められている様々な知恵や行為に結びつくものであります。すでに、能登半島の珠洲では「学術面から環日本海域の環境ガバナンスの確立を目指す試み(通称能登スーパーサイト構想)や人口減少や過疎化を抱えた地域の再生・活性を確実なものにするための対策を作りだす活動(通称里山里海再生学)」が始まっております。これらの活動は、能登の持つ教育研究的価値の大きさや将来性を我々に示してくれているものと考えております。 

また、半島と言う切り口で地球環境学の体系化およびその学からもたらされる知を将来の人間社会作りに応用しようとする試みや、能登スーパーサイト活動の新しい発展を目指そうという試みも金沢大学を中心に始まらんとしております。 

これらの活動は、能登近隣の研究機関の規模に限られるものではなく全国のさらには全世界の関係機関や組織、さらには有志とともに多様な関わり方を作りつつ進められるべきものであります。 

今回のシンポジウムは、昨年1月に開催されたシンポジウムを受け継ぎ、この一年の教育研究活動の成果を発表するとともに、能登における今後の研究教育活動の更なる発展を期すための様々な分野の将来計画と実現に向けた作業案等を作る場であります。また、これらのことが、未曾有の困難に見舞われている日本の現状を未来有るものにする手がかりにつながるように努める場でしていければと考えるものであります。                                                          2012年2月

第3回能登総合シンポジウム実行委員長  岩坂 泰信

 

金沢大学が能登半島の最先端、珠洲市の廃校である小泊小学校を利用して進められてきた半島観測や環境半島学は、いよいよ本格的な研究成果が一つ一つ目に見えててできています。
その流れは、北陸の福井県・富山県の大学とのネットワークや石川県庁・珠洲市役所など、産学官連携と結びつき、地元の地域活性化対策としての人づくりへと進み、「里山マイスター」(PDF)の卒業生60名を輩出するまでになっていました。
また、偏西風の風、大気に乗って半島にたどり着く浮遊物は、ウイルスをはじめとした、雨・雪・空気と、私達の目には直接見えなくても、ライフサイクルに関連した基盤に大きな影響を与えています。

 

 
金沢大学の研究施設の廃校「小泊小学校」   実行委員長の岩坂康信特任教授

 

 

 

今回、金沢大学と白神自然学校内に置く「津軽半島環境研究センター」とのネットワークが基本的に合意し、これからですが、環日本海研究の幅広い研究の取り組みがスタートする基盤が確立しました。今年の夏には、津軽半島で大きな「津軽環境半島学」のスタートが切られる予定になっています。乞うご期待です。

津軽環境半島学は、白神山地を含むエリアが半島地域として位置づけられており、日本海特有の歴史・文化が、本州最北端から日本国内の約半分の能登半島まで繋がり、広大なエリアの研究が進むことで、とても有意義な研究と地域振興が進むことが期待されています。

 

 

 
開催の挨拶をする泉谷満寿裕市長     環日本海域環境研究センター長の中村浩二教授

 

 
津軽半島の特徴と抱える課題について発表する永井雄人