その他の活動・出来事
「津軽ペレット協同組合」視察報告


青森県木材協同組合の最上専務から、五所川原市郊外に「津軽ペレット協同組合」(代表理事 松野 武司さん)があり、スギを中心とした間伐材や除伐材を原料としたペレット加工場を経営してるという話をお聞きし、3月23日(火)、「津軽ペレット協同組合」を訪ねてみました。
ペレットは、木くずを利用して燃料にできます。価格も安いし、化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出してきた石油とは違って、ほとんど二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーでもあります。

●「津軽ペレット協同組合」を訪ねた経緯
2002年に始まった「白神山地ブナ植樹フェスタin赤石川」という植樹祭は、毎年6月末に、津軽沢林道の奥山で行ってきました。その植樹地は、かつて広大な広葉樹の森でしたが、スギの造林が行われてしまったところです。しかし、実際にはスギは成長できず、鬱蒼とした森として残ってしまいました。私たちは、そのスギ林を地ごしらえして、広葉樹を植える環境を整え、春だけではなく秋も植林活動を展開してきました。7年おきぐらいにしか種をつけないブナの種を採取して苗床で育て、白神山地で採れた種の苗木を山に戻しています。他地域のブナの苗木では、自然遺産という価値を下げてしまうからです。
植林地の地ごしらえから発生するスギの間伐材や除伐材は、今までは現地にきれいに山積みして、山の肥料として残してきました。また、白神自然学校の「遊々の森」で行われる森林体験では、スギの間伐作業や枝打ち作業の体験実習がありますが、このときに発生した間伐材もそのまま現地に残してきました。そのたびに「この間伐材・除伐材は何か有効的に活用できないか」思案してきました。
最大の課題は、山から木材を搬出してくる際の人件費や運送費が多大にかかること、その間伐材を引き受けてくれる事業所がないということでした。逆に、こちら側がお金を出して引き取ってもらうのであれば、引き受けてくれるという事業所はありました。そんななか、今回「津軽ペレット協同組合」の松野武司代表が、スギを使った木質ペレットを完成し、ペレットストーブとともに販売しているというので、会の代表メンバーで視察をしてきました。

 
「津軽ペレット協同組合」の看板         地域資源の活用を話してくれた松野代表

●「津軽ペレット協同組合」を訪ねてわかったこと
まずペレットは、スギだけではなく、別な木からも作ることができるということ、スギの場合は、家庭系燃料として火力がとても高いことを知りました。スギ以外の木は、事業系燃料としてペレットにして使用しているそうです。
ペレットと灯油のカロリー比較してみると、灯油が1リットル8000〜9000カロリーとすると、ペレットは1キログラム4500カロリーなので、2キログラム(2袋)でちょうどカロリーバランスがとれます。価格については、灯油が1リットル70円台とすると、ペレットは1キログラム90円台ということになります。この価格差を、高いとか安いという価値判断で終わったら、25%削減という世界との約束をした日本政府のスローガン目標は達成できないし、気候変動は益々深刻化する方向に向かい、二次的被害に莫大なお金を支払うことになるかもしれません。
また、ここで販売されているスギの木質ペレットは、一袋450円で、この一袋で10時間燃焼させることができます。一日一袋という計算をすると、ほぼ1日分の燃料となります。

     
これがペレット。できたては60℃ぐらいの熱さです   一袋450円のペレット燃料

つまり、@450円(1日)×30日(1ヶ月)=13,500円、これが一ヶ月の燃料代になります。青森県民の場合、ほぼ6ヶ月間ストーブを利用していることになるので、年間燃料代は、@13,500円(1ヶ月)×6ヶ月=81,000円となります。
それでは灯油ではどうでしょう。
1リットル70円としてみた場合、400リットルのホームタンクに6ヶ月で何回給油するかという計算をしてみます。@28,000円(ホームタンク1回分)×4回=112,000円となります。家族構成などによって違ってきますが、4人家族として考えた場合です。二酸化炭素の発生ベースで試算すると、環境にいいのは断然ペレットの方が優れているということになります。

 
これがペレットストーブです。
炎がとても人間の心を和ませます。また火力もありすぐ暖まります。

最近のペレットストーブは、自動着火式です。とても簡単で、女性の方やお子さんでも火をつけることができます。タイマーもついていて、朝は温かい部屋で起きることができます。また、新築だけではなく、リフォーム住宅にも簡単にFF式ストーブの様な排気口を利用して取り付けることができます。


排気口


ペレットのホームタンク
約1ヶ月分のペレットを収納します。


ペレットのホームタンクの出口部分
ここからも取れるし、室内にパイプをつないで室内からも取り出しができます。


さらに、石油ストーブのホームタンクぐらいの大きな外付けの容器を取り付けて、そのホームタンクから、室外に出なくても室内にペレットを持ってこれることができる仕掛けになっています。
高齢者にもやさしく、朝晩の冷え込んでいる時や吹雪の時の対策ができています。これは、松野代表のアイディアだそうです。
排気口もFF式石油ストーブと同じ形で、全然違和感がありません。

また、木質ストーブだから煙が出るのではと心配するかもしれませんが、煙は全く室内には出ません。着火時に少し木の燃えるにおいがする程度です。また、ストーブでペレットが燃える様がガラス越しに見えて、とても幸せな気分にさせてくれる効用面も楽しめます。すばらしい燃料だと思います。

●「津軽ペレット協同組合」作業場の視察
 
 
搬出時、だいたい2メートルサイズのスギ材にカットされていると作業がしやすいようです。
右上のカッター機で、縦割りに破砕し、しばらく天然乾燥をしておきます。
その後、ペレットの破砕と圧縮の行程のシステムに送り出されます。

 
 
      
松野代表は、工場現場でペレットの流れを説明して下さいました。
スギ材をそのまま圧縮してペレットにする行程は、木の香りが立ちこめていました。
作業員は、木くずの粉塵を吸引しないようにマスクをしていました。

松野代表は、このペレット技術を活かして、青森ヒバを原料にした肩こりなどを防止する肩パットや、目の疲れをとるアイパットを発明。
電子レンジで2〜3分「チン」した暖かいパットを肩や目に乗せると、疲れをとってくれるそうです。

さらに、入浴剤や芳香剤を開発。
こちらは市場で売られています。

今回の視察を通して、白神山地を守る会の植樹地から発生する間伐材を、試験的にですが、松野代表の「津軽ペレット協同組合」に納入することを約束してきました。私たちは、今まで放置してきた間伐材を山からどのように運ぶのかという課題を、実験を通して解決しなくてはいけません。いよいよ資源循環型の動きが始まったような気がしてなりません。これからも持続可能な社会づくりや地球温暖化防止の為の活動と、森林保護活動を結びつけた取り組みを継続的に続けていきたいと考えています。

■「津軽ペレット協同組合」ホームページ  http://www.tpele.com/

 

【 参考までに 】
神奈川県は、県産材を利用した木造住宅や公共施設を建設した施主(建築主)に対して森林づくりの独自の認証制度を導入することを決めました。地球温暖化防止と、県内の森林再生を促す試みとして注目されています。
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