4月30日(月)、宮脇昭先生による植樹指導が行われました。苗畑で植樹指導をした後、白神自然学校でスライドを使った講演会が行われました。短い時間でしたが、指導を受けながらの苗床作業や、命の森づくりについての貴重な講話を聞くことができました。
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植樹の指導者: 宮脇昭先生について
みやわき・あきら。1928年、岡山県生まれ。広島文理科大学生物科卒業。93年まで、横浜国立大学環境科学研究センター教授兼同センター長。現在、横浜国立大学名誉教授、(財)国際生態学センター研究所長、元国際生態学会会長。紫綬褒章、ブループラネット賞受賞。「植物と人間」(毎日出版文化賞受賞)、「日本植生誌」「森はいのち」「森よ生き返れ」「木を植えよ!」など著賞多数、植樹指導は国内外計約1500カ所、約3000万本にのぼる。 |
●今回の植樹指導のきっかけ
毎日新聞社は、2007年2 月21日に迎えた創刊135年記念事業として「あすを植える『My
Mai Tree(マイマイツリー)』キャンペーン」を2006年1月から推進してきました。今回、白神山地を守る会が実施してきた「白神山地ブナ植樹フェスタin
赤石川」の植樹祭もその一環として、全国に参加を募りモデル植樹事業として行うことになりました。植樹の指導は「ふるさとの木によるふるさとの森」づくりを提唱する宮脇昭・横浜国立大学名誉教授が担当し、苗床や植樹活動のご指導をしていただくことになりました。
※『My Mai Tree』・・・読者の皆さん(My) と毎日新聞(M ai) が一緒に植える木(T ree)という意味を込めている。この植林を合わせた植樹目標本数は、毎日新聞の紙齢にちなんで135万本となっている。
----- ポット苗づくりからはじめる森づくり -----
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苗畑で、ブナの苗木を掘り起こす
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苗畑で植樹に関する事前説明
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太く横に張っているのは支える根で、土と一緒にある部分の根毛(Root Hair)が養分を吸い上げる根で重要。 |
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ポットに苗を置いて、まわりから土をかぶせる。その時、根は息をしているので、土を押さえつけないこと。 |
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この苗木は、1年から半年はこの土でしか生きていけないので、できるだけ土をいっぱい入れてあげる。 |
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実際にポット苗を作ってみました
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できあがったポット苗
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トレイに入ったポット苗の上に、ワラや枯葉などをかぶせる(マルチング)。マルチングは、土の乾燥や流出を防ぐなどの効果がある。 |
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水やりは、多すぎてもダメ。@ポットの下から水がでてくるAマルチングのワラや枯葉を持ち上げてみて、土が乾いていないという程度がポイントとなる。
また、20〜30センチあたりの土は養分を吸うので、腐葉土がほしい。 |
●「根」が大切
ポットの中に根毛(Root Hair)がぎっしりの状態が理想。
●「混ぜる」
いろいろな種類の苗木を混ぜて植えて、共生させる。
※苗床に種を蒔く場合:
10センチくらいに成長したら、根も枝も切らないで、ポットに植える。
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講演:「ふるさとの木による
ふるさとの森づくり」
〜 鯵ヶ沢町から世界へ 〜
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現地で植生調査をして、その土地本来の樹木を植樹する。土地本来の樹木(本物)を植樹することで、厳しい条件に耐えて長持ちする森ができるということを、スライド写真を通して講演して下さいました。
本来の緑は、日本には0.06%しか残っていないこと。また、森は自然災害から人間を守るということから、森は「山」だけではなく「街」にも必要だということを教えて下さいました。
最後に、生態学的な脚本に従って、一人ひとりがそれぞれの立場と力に応じて本物のふるさとの森づくりを進めましょう。「命の森づくり」を、青森県の鯵ヶ沢町から世界へ発信して下さい、と励ましの言葉をいただきました。
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