植樹祭 ――
新たな生命を大地に宿すとき
NICEワークキャンプリーダー・永井正彦
私は、NICEというボランティア団体のワークキャンプを通じて、第9回白神山地植樹祭に参加しました。今回の植樹祭に向けて、10日間、私は他の4人のメンバーと寝食を共にしながら準備をしてきました。
まず、植樹地の下草刈りをしました。人工的にブナを植えるので、しっかりと陽のあたる環境を整え、世話をしていかないと一人前のブナに成長しないのです。以前に植樹したブナの周りは、カマを使って丁寧に草を刈りました。
また、苗木の掘り起こしをしました。真夏のような炎天下、全身から噴き出す汗を拭いながら、苗木を一本一本スコップと唐鍬で掘り起こすのは大変な作業でした。メンバーに声をかけ、励まし合って何とかやり遂げました。
さらに、白神自然学校の清掃も私たちの重要な活動でした。この学校こそが、私たちの活動の拠点となっていたからです。みんなで少しずつ清掃を続けた結果、すっかりキレイになりました。
こうして実現した植樹祭は、単にブナの苗木を植える以上の意義がありました。それは、私たちが一本一本掘り起こした苗木約250本が、全国から集まった参加者と共有されたときでした。子どもたちの目は生き生きと輝き、大人たちの目は優しさに包まれていました。新たな生命を大地に宿す「植樹」という行為の素晴らしさを感じた瞬間でした。「この時間がもっと長く続いてほしい」と心から思いました。
白神山地の植樹祭は、多くの人たちの手によって実現されたものであり、私も微かながらその一端を担えたことは、本当に嬉しく幸せなことでした。また、私たちの活動は全て、白神山地を守る会のスタッフと地元の方々の指導や協力に支えられていました。改めて感謝しています。今度は、成長したブナを見るのを楽しみにして、また白神山地に戻ってきたいと思います。
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