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「白神の伝道師」養成講座≪青森会場≫が終了


9月17日(土)〜19日(月)2泊3日の日程で、白神自然学校一ツ森校において、「白神の伝道師」養成講座(※)が開催されました。
受講者は、青森県内から集まった12名です。
※この事業は、「文部科学省委託 平成23年度体験活動推進プロジェクト 自然体験活動指導者養成事業」として行われました。

参加者は、白神山地のフィールドを使った、地域スクールの指導者としての心構えなどについて担当の講師から教わり、あたらめて新鮮な心構えで講座を受けていました。特に、この自然学校の前身である一ツ森小学校の教諭をした澁谷先生のお話は、この赤石渓流の自然によって確実に成長したこどもたちの姿について語られました。また、むつ市にあるNPO法人シェルフォレスト川内の田村さんのお話は、陸奥湾という海に生息する生き物を間近に見ながらの説明でとても面白く、こども達の好奇心や興味をそそる内容で、参加者は真剣なまなざしで、講師の話をメモしていました。

白神自然学校一ツ森校の永井雄人代表による、フィールド術の講義が行われました。白神自然学校が保有している「マタギ小屋」までのルートのフィールドを使って、自然体験活動の実習を行いました。
台風の影響もあってあいにくの雨模様でしたが、参加者は合羽や胴長を履きながら赤石川を渡ったり、山道で湧き水を飲んだり、マタギ小屋内に展示されているマタギの写真を見ながら、マタギ小屋での生活について学びました。その他、聴診器を使ってブナの木の音を聞いたり、青沼を一周しながら、ブナの葉の特徴の説明や、ブナの実を拾ったりしました。また、ナタメと悪戯で木を傷をつけることの違いも実際にみて学びました。最後に、登山コースの歩き方や隊列の組み方、リュックサックの担ぎ方、登山靴の選び方などを学びました。

 

板柳町立板柳南小学校の澁谷隆行先生による「学校教育における体験活動の意義とこれまでの教育実践」の講義は、今まで実際に教諭として触れてきたこども達の自然体験活動から得た、こども達の成長を通した話でした。その内容にはとても説得力があり、参加者は、まずは自然の中に飛び込むことの重要性を再認識していました。

 

白神自然学校一ツ森校の上明戸正一副校長、通称「かみさん」によるロープ術と、登山時の道具の使い方の講義では、普段なかなか使わないロープの結び方ですが、いざという時の必要性を認識していました。津波等での避難生活を考えると、とっさの準備の必要性が再認識されている時だけに、参加者の関心も高かったように思えます。

白神自然学校一ツ森校の野藤知里理事による、白神山地の植生を学ぶ講義では、白神山地の季節毎の植生や、ブナの森の持つ特徴、ブナの植生・分布などの説明があり、固有の種を持つ白神山地の魅力に迫りました。

 

          

「自然にふれあい学ぶ」と題してむつ市の「海と森ふれあい体験館」で活動しているNPO法人シェルフォレスト川内の田村智恩さんが、むつ湾に生息する生き物を瓶詰めしてきて、一つ一つ説明をしてくれました。
参加者は、きれいな生き物が生息していて驚いていました。まるで沖縄県の海にいるようだとも話していました。 

 

 

 
ヒメヒトデ、スガイ、コシダカガンガラ、ウミニナなど

 
マメコブシガニ                   ムツサンゴ

最終日は、鰺ヶ沢消防署から消防署員の方に来ていただいて、普通救急救命の講習を実施しました。
特に、心肺蘇生の為の人工呼吸やAEDを使った電気ショックのやりかたについて、参加者は真剣に取り組んでいました。

 

講習会終了後は、食事をしながら交流会を行いました。参加者の皆様、大変にご苦労様でした。講師の方々も、ありがとうございました。

「白神の伝道師」養成講座は、来年も実施します。多くの方が参加されることを希望します。参加者には「白神の伝道師」の資格カードが渡される予定です。