平成4年(1992)年、フジサンケイグループが、産業発展と環境との共生をめざし、地球温暖化の防止や環境保全活動に熱心に取り組む企業や団体を表彰する「地球環境大賞」授賞式が、9月20日(火)、東京・明治記念館で行われました。今回は、第20回目となる授賞式で、秋篠宮ご夫妻をお迎えして、東京・元赤坂の明治記念館で開かれ、ブリヂストンや伊藤園など、11の受賞企業・団体に表彰状とトロフィーが手渡されました。
今回は第20回を記念し、WWFジャパンが推薦した京都府機船底曳網漁業連合会に特別大賞が贈られました。また、最優秀賞「大賞」は、東京電力株式会社の「蒸気管大規模連係による省エネ・CO2削減への取組み」でしたが、同社より「受賞辞退」の申し出があり、審査委員会並びに、顕彰制度委員会が受け入れました。
式典では、フジサンケイグループの日枝久代表が「第20回という節目の年を迎えたことは、喜びにたえない。フジサンケイグループは社会の発展のために今後ともあらゆる分野で、豊かで活力にあふれた国づくりの実現に向け、これまで以上に邁進していく」と挨拶をしました。
また、地球環境大賞顕彰制度委員長を務める、トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長は「環境問題の解決は人類共通の課題だ。なお多くの難問を抱えているが、これらを克服するためには、これまで以上にわれわれの英知を結集していかなければならない」と述べました。
第20回記念大賞を受賞した川口哲也・京都府機船底曳網漁業連合会会長は、日枝久・フジサンケイグループ代表からトロフィーを授与されました。
授賞式後のレセプションには、産業界を中心に官界、学界などから約350人が出席。環境問題の解決や東日本大震災からの早期復興の実現に期待を寄せていました。この式典には、第16回地球環境大賞式で受賞した、白神山地を守る会の永井雄人代表も招待され、参加しました。
第16回授賞式で賞を頂いた光景
秋篠宮殿下のお言葉 (全文)産経ニュースより転載
本日、20回目の節目を迎える「地球環境大賞」の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを、大変うれしく思います。また、このたび受賞される方々に心からお祝いを申し上げます。
環境問題に対する人々の関心はここ数年来一段と高まってきており、とりわけ温暖化の防止や、生物多様性の保全については、世界全体で取り組むべき重要な課題であると考えます。また、本年は国際連合が定める国際森林年にあたり、世界中の森林の持続可能な開発、管理、利用の範囲設定など、地球環境の諸問題を考える大切な年にもなっております。
他方、本年3月11日に東日本大震災が、また今月に入って台風12号による豪雨災害が発生いたしました。この2つの災害では大変残念なことに、多くの人々が亡くなり、行方不明となり、そしていまなお困難な暮らしを送っている方々が、多数おられることに心を痛めております。環境問題を考えるとき、このような自然災害について意識をすることも必要なことではないかとの思いを新たに致しました。
さて、地球環境大賞は、1992年に地球環境と共生する産業の発展、そして持続可能な循環型社会の実現を目指し、環境への負荷が少ない製品や、そのための技術を開発し、地球環境に対する社会の意識向上を図ることを目的として創設されました。
今年で20回を数えるこの賞は、産業界から始まり、自治体、学校、そして市民グループへと表彰対象を広げながら、環境活動に熱心に取り組む人々の真摯な姿勢を広く顕彰し、環境に対する意識を高めることに貢献してきたといえましょう。環境諸問題の重要性が認識されてきた今日、日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます。
終わりに、受賞者をはじめとする皆様が、今後とも率先して、積極的な取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がり、地球が緑豊かな水の惑星として、末永く潤っていくことを願い、私のあいさつといたします。
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