その他の活動・出来事
「白神山地から生物多様性」の講演


名古屋学院大学体育館を会場とした「生物多様性交流フェア・フォーラム」において、10月22日(金)13時30分より、白神山地を守る会代表の永井雄人は、東北を代表して講演をしました。

 
COP10会場の名古屋国際会議場前の風景  講演する永井雄人代表 

会場では、世界における生物多様性の取り組みが紹介され、中国、マレーシアなどの豊かな生物多様性を守る活動が紹介され、その保護活動の必要性が訴えられていました。会場の外では、世界のNGO・NPO・政府関係者・日本企業の展示ブースが200以上あり、多くの外国人や日本人で賑わっていました。いつも思うことですが、国際会議は、政府代表の人達だけではなく、このような「草の根運動」として頑張っているNGO・NPO等の人達のパワーが、会議そのものの政治パワーより上回っているのではと思うほど、元気に世界各地の取り組みが紹介されています。

 

今回の会議ではお会いできませんでしたが、沖縄の干潟を守るために、ご夫婦で活躍されている小橋川久美子さんは、わざわざ沖縄から青森にいる私のところまで電話をしてきて、自然を守ることや、動植物の棲む環境を守ることについては、地元の開発を推進する人達との人間関係が難しいことや、なかなか訴えても理解してもらえない政治家たちへの不満が募ることを話されていました。
私たちも思いますが、このような運動は時間との勝負ということもありますが、「人」を残していくということもとても大切なことですので、共に地道に活動を展開していきましょうとお答えし、電話を置きました。私たちの小さな声が世界に届くことを願いつつ、これからも活動を進めて参ります。

 

名古屋市への訪問は、5年前の「愛知万博」以来です。愛知万博では、市民が主体的に参加するプロジェクトがいくつか展開されいて、その中に、市民が選ぶ「地球を愛する100人」というプロジェクトが瀬戸会場であり、海外や日本国内から自然環境、動物保護、教育など多くのフィールドから地球に貢献している方々100名を市民が選ぶイベントがありました。ジェーン・グドール(イギリスの動物行動学者、霊長類学者、人類学者、国連平和大使)さん、アンドルー・ワイル(アメリカ合衆国の健康医学研究者、医学博士)さん、野口健(登山家)さん、C. W. ニコル(作家、ナチュラリスト)さんらと共に、白神山地を守る会代表の永井雄人も選ばれました。この時の講演タイトルは「白神を見つめて〜自然遺産に学ぶ太古の森〜」でした。この5年間で、地球環境はますます悪くなっていることをあらためて知らされたCOP10になりました。


世界のブースでのワークショップの様子

日本のNPO展示ブース

東南アジア国のブース。日本語による間伐材を使ったマイ箸を販売していました。 

住友林業の展示では、育林の過程を展示していました。

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【 中日ビルでの生物多様性の講演 】

10月23日(土)、24日(日)の二日間、永井雄人代表は、中日ビルで午前と午後の各2回、「白神山地からの生物多様性」をテーマに、白神山地における現状と、ブナの森を守るための広葉樹の苗床作りの取り組みについて講演しました。

 
中日ビル一階で講演する永井代表       大型テレビで中日対巨人戦を観戦するファン

足を止めて聞き入る人達は、講演終了後たくさんの質問をしてきましたが、白神山地の位置確認とか、植生のきれいな時期とか、登山コースとか、西日本の人達には、白神山地が自然遺産という意識はあまりなく、初めて知ったという方が多いように思われました。
またこのビルには、中日ドラゴンズの球団事務所が入っているので、夕方になると講演した場所は大型テレビを前に熱烈なファンによる観戦が始まるという具合でした。名古屋市民は、COP10よりは、名古屋市議会のリコールや県知事選挙に関心があり、生物多様性への意識が薄いような気がしました。