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「いだわしいシンポジウム」を開催


11月11日(木)13時30分より、アウガ5階で『カーボンオフセット』を考える「いだわしいシンポジウム」を開催しました。「いだわしい」とは、「もったいない」という意味です。挨拶に立った白神山地を守る会の永井雄人代表は、「もったいないとは、仏法用語の物体を否定する言葉でもある。もったいないを津軽弁ではいだわしいといい、それは捨てることを否定する意味からきている」と紹介し、白神山地を守る会が取り組んでいる植林活動において発生する除・間伐材を有効利用したいと述べました。

 
主催者を代表して挨拶する永井雄人代表   大学生や一般市民、事業者が参加した

基調講演に立った、早稲田大学人間環境科学科教授の天野正博氏は、低炭素社会の実現に向けた取り組みの一つのツールでもある「カーボンオフセット」についてお話して下さいました。インドネシアの熱帯雨林で進んでいる取り組みを通しながら、温暖化が加速している現状を紹介し、私たち人間が排出する二酸化炭素や、企業の商品製造時に排出される二酸化炭素を、クリーンエネルギー事業などと相殺し、限りなく二酸化炭素をゼロに近づける仕組みが「カーボンオフセット」であると説明しました。

「適地適木」という取り組みで、間伐材をバイオマスエネルギーとして利用することは、森林の拡大や中山間地域における新しい産業の創出にも繋がるし、企業の社会的な貢献の選択肢として今求められている取り組みであると紹介し、50年後の世代が、温暖化問題で苦しまなくてもよい社会づくりの為の選択でもあると語りました。

 
基調講演をする天野正博先生          カーボンクレジットの効果を述べる天野先生

続いて事例発表を行いました。さまざまな分野の専門から、森林に関わる事業、二酸化炭素削減に対する活動等についてお話していただきました。


■東北森林管理局 計画部長  平野 均一郎 氏

温暖化対策と木材利用について説明があり、国有林を地域と共有する為に、民間のボランティアと協働の取り組みを進めていきたいとお話がありました。また、森林吸収3.8%対策についても紹介がありました。

■積水ハウス株式会社 環境推進部
 温暖化防止研究所
 課長 近田 智也 氏

快適性と経済性を追求した、積水ハウスの「エコ住宅」の紹介がありました。

■津軽ペレット協同組合
 代表理事 松野 武司 氏


県産材ペレットを使ったペレットストーブの普及活動を紹介し、温暖化対策の為のネットワークづくりを進めている旨紹介がありました。

■八戸短期大学 ライフデザイン学科
 准教授 三浦 文恵 氏

「北国の賢いエコライフ」と題して、ちょっとした工夫や省電力のものへ切り替えするなど、日々の暮らしの中でできるエコライフを紹介しました。

■オヤマダエンジニアリング株式会社
 専務取締役 新里 光男 氏

小さな木質ボイラーの普及で、地域の施設の熱源は十分守られるとして、老人ホームや旅館、行政施設での木質バイオマスボイラーが普及していることを述べました。

その後、毎日新聞社青森支局長の上田武司 氏をコーデイネーターとして、事例発表者及び会場のみなさんとの意見交換会を行いました。

 
 
 

最後に天野先生から、今回のシンポジウムの講評を述べてもらい、終了しました。事例発表者や会場の参加者からは、内容の充実したシンポジウムだったとお褒めの言葉をいただきました。

この「いだわしいシンポジウム」は、引き続き2011年も開催する予定で、低炭素社会実現の為に、いま何が求められているかということについて、問題意識を高めていきたいと考えています。また、ネット上でも開催告知をしたいと思っておりますので、その際は是非ご参加いただければ幸いです。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。