その他の活動・出来事
白神山地での種拾い


今年は、白神山地のブナも大きな実をつけました。
昨年、陸奥湾のホタテが猛暑で全滅しました。白神山地のブナも、春に花を咲かせていたので実をつけると期待していたら、夏には、殻斗がゴロゴロ落下していました。おそらく、白神山地のブナも、母体である木を守るために、種をすべて落として我が身を守るという働きをしたのではないかと推測しています。そして、今年再び種をつける為に、母体を守ったのではないかと考えています。これが、ブナという自然界の働きかもしれません。

 

今年は、2007年以来5年ぶりの結実です。私たちは、森林管理署と連携し、実の採取場所を常に明確にして、世界自然遺産地域におけるブナ等の落葉広葉樹の遺伝の攪乱を防ぐ為に、採取場所の記録をつけてきました。今回もその体制を維持し、採取場所を報告して、約1ヶ月間に渡って、落下状況を追跡し、採取しました。

 

 

白神山地を守る会の皆さんによる、種の落下追跡調査や、植林地の下草刈作業、雑草とり作業、青森ヒバの挿し木の水やり等の手入れ作業、カエデ・ミズナラ・モミジ・ブナ等の種の採取、本当にご苦労さまでした。応援に駆けつけてくれたNICEのワークキャンプのメンバーにも感謝します。

 

 

採取した種は乾燥させて、11月〜12月にかけて森林総合研究所との共同研究をしている関係で、ブナの種の缶詰作りや、コンテナ苗木づくりを行います。まずは、種の採取ができてよかったです。ありがとうございました。

 
種は大きい種と小さな種があります。場所によって大きさが違うことが判明しています。

 

   

 
種は水で洗い、ゴミを取り除きます。バケツの上に浮いてきた軽い種は、実が入っていないので取り除きます。その後新聞紙の上で乾燥させますが、その際、種に穴があいていて、実が入っていないものを探すという細かな作業があり、地元の婦人会の皆さんで行います。

 
何と言っても、お昼ご飯が一番楽しいです。白神のわき水でコーヒーを淹れたり、行動食を食べたりしました。愛妻弁当も美味しい、と誰が言っていましたね。
種が落ちてるかどうか確認する為、みんなで天狗峠に行きました。記念写真を一枚。

 
遺伝資源保存林近くで採取した種       採取した場所を示す意味で記念撮影

11月4日(金)は、テレビ撮影が入りました。地道な種拾いのシーンをみんな撮影してもらいました。皆さん、とてもテレビ写りが良いのではと思っています。

何度もインタビューに答えてくれた人、恥ずかしくて隠れた人など、こういう時性格が出てとてもおもしろいなと感じた一日でした。お疲れ様でした。