活動概念について  
 
  人為的な行為で病む白神  
 


エコツーリズムの盛り上がりの中で、登山者は急増し、周辺町村の観光化と地域振興の開発が進む。このような中で、自然保護の観点から登山者のオーバーユースの問題をどうするのか、また、そういう視点をもった人材養成とエコロジー環境教育のツアーの実施、さらにガイドの養成が急務になっている。

また、猛禽類のイヌワシやオオタカが営巣する白神山地上空では、三沢基地の米軍の戦闘機が頻繁に低空飛行で往来し、そのイヌワシの生息が心配されている。この件では青森県が外務省・防衛庁・アメリカ大使館に抗議したが、会としてもアメリカの自然保護団体オーデュボン協会までメールを送り、アメリカの市民団体からアメリカ政府への抗議をお願いした。

白神山地に生息する天然記念物クマゲラの生息調査と研究はまだすすんでおらず、これからである。その間、鰺ヶ沢スキー場の拡張工事、治水のためのダム建設や堰堤工事が後を絶たない。観光のための道路の拡張計画(大型観光バスの運行問題)や道路の舗装工事も進んでいる。

しかし、山に入るということは砂利道でリスクも多いということである、旧弘青林道も、けもの道が多い。また、入山者のごみのポイ捨て問題、白神岳の頂上にトイレが完成したが、近くの湧き水の大腸菌問題。途中のごみ、遺伝子保存林のごみ、道端のごみ、特に車からの投げ捨てが多い。

今まで会としてはゴミ拾いを実施してきたが、これからの取り組みとしてこのエコツアーに参加してくる方々と会のメンバーと、多くの皆様とともに、世界遺産周辺部の破壊された地域での自然再生復元活動も連携して進めたいと思っている。