活動概念について  
 
  世界遺産「白神山地」  
 


白神山地は、青森県南西部から秋田県北西部に及ぶ面積約130,000haの山地の総称である。その中心部の約17,000haが、平成5年(1993年)屋久島と共にユネスコから世界遺産(自然遺産)に登録された。その世界遺産登録面積の4分の3(12,627ha)が、青森県の面積である。この自然遺産は今日本では屋久島と2カ所しかない。

白神山地の地質は、およそ9000万年頃(白亜紀)にできた花崗岩を基盤に、2000万年前〜12000年前頃(新第三紀中新世)の堆積岩(凝灰岩、泥岩、砂岩)とそれを貫く貫入岩類(マグマが上昇してできる岩)で構成されている。

白神山地の大きな特長は、人為的影響をほとんど受けていない原生的なブナの天然林が、世界最大規模で分布していることである。また、白神山地を代表する川には、大川、暗門川、赤石川、追良瀬川、笹内川などがあり、流域の人々に豊かな豊饒の稔りを与えている。

白神山地の山々には、大川流域(青鹿岳/標高1000m)、赤石川流域(摩須賀岳/標高1012m)、追良瀬川流域(天狗岳/標高958m)、岩崎村と深浦町との分水嶺にある白神岳(1232m)、白神山地の最高峰である向白神岳(1250m)などがある。県境の尾根沿いには二ツ森(標高1086m)と真瀬岳(988m)、雁森岳(987m)小岳(1042m)などがある。

白神山地のブナ林には、多種多様の希少な植物群が植生している。代表的な植物としては、アオモリマンテマ、ツガルミセバヤ、シラネアオイ、シラガミクワガタ、エゾハナシノブなどがある。

また、それに依存する多くの動物群も生息し、ほ乳類のツキノワグマやニホンザル、シノリガモ、カジカガエル、オオゴマシジミなどが生息している。天然記念物のクマゲラ(キツツキ科)や猛禽類のイヌワシ、オオタカなどの鳥類や昆虫類など、四季折々の動植物群の宝庫でもある。