当会の白神山地エコロジー体験ツアーは、ワンダーリングを進めている。ワンダーリングとは、ドイツにおけるレクリェーションの概念の一つで、ドイツ語でwandernという。
ワンダー(wander)を直訳すると、「自然の中をあてもなくさまよい歩く、自然の中をぶらつく」という意味になる。ヨーロッパの人たちは自然と親しむ方法として、自然の中をゆっくり歩き回り、五感を通して自然の素晴らしさを体得する。ヨーロッパでは、幼少時代から学校でこのような環境教育が行われている。自然の中を目的地目指して通り過ぎたり、山菜を採ったりなど、何かを目的とした行動や山登りとは少し違うようである。
白神山地には、貴重な天然ブナ林がある。そのブナ林の中を、ゆっくり歩きながら、森林浴を楽しみむ。ブナ林の鬱蒼とした自然林の中で、皮膚呼吸や腹式呼吸などをしながら、人間も自然の一部であるということを体感することが、最も相応しいエコロジー体験であると思われる。従って下記の3点を大切にしている。
@ガイドから説明を聞く観光型ではなく、散策を通しブナ林と
一対一に対しているという体験を重んずる。
A自然に包まれて、自然と親しむ、楽しむスタイルを尊重する。
B急いで通り過ぎるのではなく、ゆっくり自分のペースで歩き、
まわりを注意深く観察する。 |