10月、白神山地は十和田湖より遅い黄葉(こうよう)を迎えています。十和田湖の場合、赤を基調とした「紅葉」と言いますが、白神山地のブナ林は、まっ黄色に染まるので「黄葉」と言います。今年はブナも種を結実しているためか、山ではツキノワグマやニホンザルとよく出くわす機会が多い。
白神自然学校の専属またぎで、ガイドをしている大谷石捷さんは、今月、山に一人で入ったときに、ツキノワグマと鉢合わせとなりました。
ツキノワグマは、イヌがかまえて飛びかかるしぐさをして、頭を低くするようにして、一気に飛びかかってきました。その時、とっさに持っていた棒を前に出して、クマとの格闘劇が始まりました。約3分間、棒でクマの腕を払って喉元を突き、棒で何度も顔と喉元、胸を突きました。振り回した棒が、クマの顔にまともに当たって、後ずさりした瞬間、こちらもクマのうなりに負けずと威嚇の声をあげたら、驚いて逃げたと思ったら、15メートル先からまたUターンして飛びかかってきました。2度ほど、3分間ぐらいずつクマと闘い、クマの方が勝てないと思ったのか、自ら身を引いて逃げていったが、こちらも必死だったと語ってくれました。
11月1日からは、クマの狩猟の解禁日です。熊肉が食べれるかどうかは、またぎの腕と勘にかかっています。もう今から、どこにクマがいるか目をつけているそうで、解禁になったらすぐ山に入るそうです。
そんなクマ撃ち前の大事な作業として、秋の恵みでもある「ナメコ採り」が待っています。マイタケと違って、ナメコは特に重い。秋が深まる10月22日頃、二人で40キロ〜50キロ近い量のナメコを収穫してきました。ナメコは一本の木を見つけるとたくさん生えている為に、ほんの5〜6本程度の木を発見すると、リュックサック一杯になります。だから、1日では収穫ができません。たくさん採る場合は、何回も山に入ります。また、そのままにして来年また採りに来るという場合もあります。今回は、リュックサックが満タンになってしまい、最後は、採取を諦めて、場所の確認だけしてきました。大谷石捷さんは、また来て収穫すると言っていました。
皆さんには画像で申し訳ありませんが、天然ナメコの画像と、秋深まる白神山地を楽しんで頂きたいと思います。
(文責:永井)
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@曲がりくねって、樹皮だけで生きている自然のブナ Aどれだけ登ったのか・・・熊の爪痕が無数ついてたブナの木 Bキノコ採りは、このような滑り気のある沢を登らないといけない
今年の熊の爪痕です(写真右)。
今年はブナの木が実をつけましたので、登ったのでしょう。真新しいものです。
小さなブナの稚樹 イタヤカエデの落ち葉
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