『津軽』の魅力についてご紹介
12周年記念紀行 下北で環境ツアー


12年前、北欧の環境先進地スウェーデンを、白神山地を守る会の永井雄人代表が隊長として「環境ツアー」を実施しました。2010年、日本の核燃再処理の最新基地である「再処理施設の見学」と、むつ市にある「朝比奈岳登山」、「下北半島最先端の地を訪れる」という環境ツアーは、12年前の参加者6人全員がそろって(1名は写真で参加)実施しました。

スウェーデン環境ツアー 12周年記念紀行
(平成成22年8月20日〜8月22日  2泊3日)

 参加者名:中村年春、三津野真澄、山田幹夫、小笠原勤、永井雄人、
        (故)櫻田信子(写真持参)


8月20日(金)  核関連施設の見学、再会の喜び

12時頃、八戸駅集合。2台の車で移動し、13時過ぎに六ヶ所村の「六ヶ所原燃PRセンター」を見学。核関連施設(4施設)を見学しました。

 

低レベル放射性保管施設、高レベル保管施設、ウラン濃縮工場、再処理施設。4施設すべてを見学できましたこと、まずは感謝申し上げます。担当者の熱心な説明と、そこで働いている従業員は地元採用者が多いことに驚きました。これからイギリス・フランスから戻ってくる高レベルの廃棄物は、日本が一端海外に保存を依頼したもので、その受け入れが今行われようとしていました。その後の報道で、この再処理施設の稼働が、あとまた2年遅れるということで、1日も早い稼働が待たれます。

 

また、再処理施設の周りに隣接する風力発電の多さに、石川県で市民風車を立ち上げた三津野さんも驚いていました。

 

時間も押したメンバーは、16時頃日本原燃の関係者に御礼を言い、一路むつ市に向かいました。この日は、むつ市最大行事でもある「田名部まつり」の最終日で、むつ市内の道路は至るところで車両通行止めです。地元の小笠原さんでさえもどうしたらいいか考え込んでしまいました。結果、大きく迂回してむつ市宿泊先にようやくたどり着きました。その日の夜はとにかく再会を祝して、田名部の居酒屋で懇親を深め合いました。ともに近況報告をしながら、明日の朝比奈岳の予定を確認しながらの飲み会です。あまり酔わないうちに店の外に出ると、田名部まつりのにぎわいです。この日は遅くまで田名部まつりの宵闇に消えた人と、すぐホテルに戻った人に分かれましたが、それぞれに楽しい夜を過ごしました。

 

【こぼれ話】石川県から参加の三津野さんは・・・
環境ツアーに参加する為には、東京駅発8:56→仙台駅発10:37→八戸駅着12:03のJRを利用する必要があります。これに間に合うように、石川県から参加の三津野さんは、前日の深夜バス(オリオンバス072便)で金沢駅発21:00→仙台駅着6:20に乗車し、少し余裕をもって、仙台から「はやて9号」と連結しました。

【こぼれ話2】田名部まつりについて
「田名部まつり」の起源がいつかは定かではありませんが、約370年以上の歴史をもつといわれています。江戸時代中期の紀行家菅江真澄が田名部を訪れた際に書いた『牧の朝露』によれば、寛政5年(1793)にはすでに現在の運行形態に近い状態で行われていたことがわかります。かつて田名部は南部藩の代官所が置かれ、下北の産業・経済・文化の中心地となっていました。田名部自体には海に開けた港はありませんでしたが、陸奥湾(大湊湾)に停泊した北前船からの荷の積み卸しが田名部川を通して行われ、その水運で栄えた町でした。下北からは上方に向けてヒバ、アワビ、ナマコ、コンブが出荷され、諸国からは西廻り航路を通って数々の珍しい物品がもたらされました。また、物だけではなく言葉や文化ももたらされました。

8月21日(土)  朝比奈岳登山、身体の癒し

宿泊先を出発し、薬研渓流を通ってカスペ沢林道を経由し、朝比奈岳登山道入口に到着しました。登山開始です。とにかく今年は、もともとの藪こぎコースと暑さが相俟って、ナタを持参してもかないません。
登頂自体は途中で諦めましたが、大きな天然マイタケとヒラタケにお目に掛かりました。あまりもの大きさに、三津野さんと永井さんはお得意のポーズをとりましたが、背負ったり手に持ったりで、ようやく下山してきました。

      
 

途中「カッパの湯」や路上に天然露天風呂がありましたが、公衆衛生上良くないということで使用禁止中になっています。最終的には、下風呂温泉の「長谷旅館」(川端康成が「海峡」を書くために泊まった宿)の硫黄温泉の宿に泊まりました。この硫黄が登山後の体にしみるといいますか、温度が熱いのも重なってかなり効きました。

宿の夕食は、大間のマグロやウニ、アワビなどの魚介類のテンコ盛りです。それに、スウェーデンのウォッカと宮城県の地酒が山田さんから提供され、ホドホドではなく、かなり酔い潰されたとでもいいますか、最後は山田治療院の先生による針治療まであって、参加者は身体ともに充実した夜を過ごしたことでしょう。

 

8月22日(日)  本州最北端の大間崎

最終日は大間崎を訪れ、最北端の地の石碑の前で記念撮影をしました。大間マグロのモニュメントに乗っかってしまった三津野さん、マグロもびっくりしたことでしょう。

この後、高速船乗り場から、仏ヶ浦〜脇野沢を経て陸奥湾を縦断し青森に至る快速船ポーラスターに乗船しました。午後、青森駅に到着し、解散となりました。