『津軽』の魅力についてご紹介
月厳寒の石川県金沢市と輪島市を歩く


「加賀藩千二百石」と言えば、金沢市の「兼六園」が有名で皆さんご承知ですから、今回は城下町金沢の魅力の一つでもある、武家屋敷跡を歩いてみました。

長町という武家屋敷通りは、私が仙台市長町南に住んでいたことからも、とても懐かしい思いで歩きました。仙台市も伊達政宗の城下町です。共に長町という長い武家屋敷跡は、石高が多い加賀を代表する武士の住まいです。そこに石野村家の屋敷があり、中を覗かせていただきました。

    

いきなり表玄関には、家主の甲冑が置いてあり、威厳を保っておりました。中には狭いながらもきれいな庭園があり、大きな庭石と季節の花々や、庭木が所狭しと咲き誇っていました。

    

今回訪問したのは1月ですが、雪国特有の雪囲いがしっかりしてあり、とても清楚な面持ちで、家々の中を見回しました。中には小さな茶室があり、寒椿が生けてありました。また、襖はきれいな松の盆栽画があしらわれており、とても気品高い武士の家でした。

 

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続いて輪島市です。漫画家、永井豪記念館では、「デビルマン」「キューティーハニー」「マジンガーZ」など、永井豪の作品や展示がされていました。まさか輪島市出身とは思いませんでした。永井豪記念館は、輪島市の朝市通りに並んでいます。是非訪ねて行ってみてください。

 

 
鰺ヶ沢町には海の駅があるが、ここにもある  ここでも「ねぶた」?今どこにいるのかと思う 

青森県も、夏といえば「ねぶた」が有名ですが、能登半島の夏秋の祭礼といえば、各町内会から集まってくる「キリコ」と呼ぶ巨大な御神灯です。担ぎ手がいて、町内を担いでまわる様は、ねぶたに負けないほどの動の祭りです。特に、夜空を彩るキリコの姿は勇壮で、ねぶたとリンクしてしまうぐらい活気に満ちた祭りです。能登半島の各市町村毎に独特の特徴があり、夏に能登を訪れた時は、この祭りに参加してみるのも楽しいだろうと、感じてきました。

 

千枚田を見て、「何故こんな自然条件の悪いところに、田んぼが」と思ってしまいました。しかし、これがまた日本の原風景の一つであるとも思えてきました。「棚田」文化は、日本の米作りの原点でもあります。この極寒の能登の地でも、日本海の荒波にびくともせずに春の訪れを持ち望んでいる千枚田に感動しました。

 

 輪島市の朝市通りは、冬ということもあり、出店数は少なかったですが、町の漁師の奥さん達が主役で、冬の魚や越前カニ、寒ぶりなどが売られていました。
夏はこれに野菜等が入り、出店は、端から端まで埋め尽くすそうです。私は、ほたるイカの沖漬けが大好きなので、輪島市の沖漬けを買いました。

 

また、朝市通りに「八井漆器本店」があります。私はここで、赤い輪島塗の金のさくら模様の入った杯を買いました。また、輪島塗の黒い箸も購入しました。お店はご夫婦でやっていましたので、是非お立ち寄り下さい。本当に人情味ある町です。

 輪島市のうるしの宿「やしき旅館」に泊まりました。すごいのは、柱がすべて漆で出来ていたのと、お風呂が漆塗りの檜の湯であることです。また、食事の器は全て輪島塗の器でした。夕食は、赤い漆塗りの器で、朝食は黒い漆塗りの器でした。漆文化のすばらしさを体感できる宿です。是非、一度訪ねてみてはと思います。

気品のいい女将さんと、無口な亭主さん、女中さん達が家族的な雰囲気で迎えてくれます。

輪島市ではもう一人、無農薬の野菜づくりをしている松本正一さんとの出会いがありました。名も知らずの私に蠣を焼いて振る舞ってくれて、無農薬の米をつくる話をしてくれました。本当に美味しい米を、自分が食べたいから作っている。そして、その米を食べたい人だけにお裾分けしているという生き方に、とても共鳴しました。
今回は時間があまりなく、おいとましたので、次回はゆっくりお話が聞けたらと思っています。今度は夏に訪ねてみたいと思っています。