青年海外協力隊からの報告
ザンビア青年海外協力隊報告 NO.1


ザンビアと日本の社会の基盤を比較する際の参考までに、
今回は、一つ二つ、興味深かったことを書きます。

一つは、言語に現れるザンビアの文化・社会の仕組みについて。
なんと、現地語(ベンバ語)には、おばさん(aunt)に相当する言葉も、いとこ(cousin)に相当する言葉もありません。
おばさんは、すべてお母さん(mother)であり、いとこもすべて兄弟(brother)と呼ぶのだそうです。
そのため、もしお母さんがエイズか何かで死んでしまっても、当然のように、おばさんの家に身を寄せることができ、そのおばさんは、問答無用で息子として受け入れるべきだとされているのだそうです。家に行く前に連絡を入れる必要もなく、突然訪れても当然のように受け入れるようです。
同様に、いとこも兄弟として、助け合うことになっています。
そのような感じなので、私の家の前に住んでいる大家さん一家は、父親はいませんが、母親とその娘・息子4人を始め、いとこも合わせて10人くらいが一緒に住んでいます。
最初は、一人でこれだけたくさんの子どもを生んだのかと思っていました(それくらい、一つの家族として一体感があります)。

もう一つは、社会に強く根付くキリスト教の影響について。
ザンビアでは8割以上がキリスト教徒と言われていますが、地方では、ほぼ99%がキリスト教徒です。
しかも、驚くほど熱心なキリスト教の信者が多いです。
「キリスト教を信じれば、天国に行ける」「死後の世界はパラダイスだから、死ぬのは怖くない」
「神は1つしかいない」「友達としてキリスト教徒になれ」などなど。
最初のうちは、毎週のように教会に誘われ、私も3つほど教会に行きましたが、最近は、だんだんと面倒になり、適当に断るようにしています。
教会で説教を聞いても、私にとっては説得力はないのですが、客観的にキリスト教を知りたいので、Colinsという辞書や地図などで有名な出版社の出している聖書(Bible)は、すばらしい英語で書かれていますし、昨日から、たまに気が向いたときに読むことにしました。
そうしたら、さっそく最初の一節に書かれていました。永井さんが以前、お話していたように、キリスト教によれば、神(God)は、他の動物、植物などの自然を支配するものとして、コントロールするものとして、人間を創り出しました。日本のような自然崇拝の考え方とは異なりますね。
他方で、仏教はどうなんだろうかと気になり始め、家から送ってもらって、これまた少し読みました。
釈迦は特定の教義を押し付けず、人それぞれに合った説法をしたとあり、多種多様性を認める方向にありました。
こうして、宗教を比較すると、考え方のベースが見えて興味深いです。
ネット環境上、大きな写真は重くてなかなか送れないので、少し小さくして送ります。
昨日、生まれて初めて、生きた鶏を殺してさばきました。写真はマーケットで買ったところです。
また、もう一枚は、ザンビアの主食、シマ(メイズという甘くないトウモロコシの粉をお湯で溶かしてまるめたもの)の夕ご飯の写真です。校長先生が家に招いてくれ、一緒に食べました。
今では、自分でもシマを作って食べています。
それから、家が広いので、放課後、生徒を呼んで数学を勉強させたり、週末は日本文化や理科の実験など、スペシャルな企画もしています。任務以外のことですが、こういうことを自分でしてみたいと思っていました。
ただ、今は、自然と来る生徒だけなので、毎日平均5人くらいで、時には誰も来ない日もあり、やはり広報が必要なのかなと思います。
少しずつ環境が整い次第、もう少し他に広めて、いろんな子に来てもらいたいと思っています。
何やら寺子屋でも経営している気分です。今のところ、体調を崩すこともなく、毎日元気にしています。第1号報告書をそのまま添付させていただきます。
またときどき、メールを送らせていただきます。それでは、また。

永井正彦