青年海外協力隊からの報告
ザンビア青年海外協力隊報告 NO.4


1.約8ヶ月、ザンビアでの生活を一言で言うと、「任地の生活が落ち着き、活動のペースをつかんだ時期」といえる。私なりに一週間の過ごし方が定まってきたので、落ち着いた生活ができるようになりました。また、今も毎回の授業を準備するのは大変であるが、生徒の特徴や能力が分かってきて授業を組み立てやすくなるとともに、徐々に授業以外のことをする余裕が出てきて、活動範囲が広がりつつあります。

そこで、活動計画の策定に当たっては、理科クラブの創設を中心に、配属先と意見交換を行いました。ちょうど校長先生もクラブ活動の活性化を求めた時機に重なり、来学期からスムーズにクラブ活動を始められる環境が整っています。同期や先輩隊員からもアドバイスをもらいました。生徒は、瞬発力はあるが、継続力は必ずしもないという傾向がある。とにかく、初回は思い切って始めること、その上で継続的に活動できるようにしたいと思います。

2.配属先の動向は、副校長先生の休職のほか、大きな変更はありません。任地の人々は、全体的に、日本や日本人に対して良いイメージを持っているようである。中国人と間違えられたり、「チョンチョリ」と呼ばれることもあるが、私はあまり気にせず、むしろ爽やかに手を振って応じている。何度も繰り返し”How are you?”と聞いてくる子どもに対しても、面倒くさがらずに一つ一つ応じています。挨拶は交流の基本として大切にしたいと思います。

その他特記事項として、今回は「任国の食事」を取り上げた。食事は、健康維持のために欠かせないものです。食材の種類は季節の影響を受けるが、できるだけ多くの野菜や肉・魚をバランスよく摂取できるように心がけています。ザンビア人から習い、シマを中心とした現地料理も積極的に作っています。

任地の生活や活動に慣れて気が緩む時期でもあるが、ここで自己の活動を振り返り、改めて気を引き締めて活動に励みたいと思います。

3.@生徒たちの理数科目の能力を向上させるために、私は以下5つを必要事項と考えました。

第1に、基礎学力の定着である。特に数学においては、より下の学年で既に学習したはずの事項を忘れている(そもそも理解していない)生徒が多い。たとえば、毎回の授業で九九を練習させ、覚えさせることは前学期から実行しており、来学期も継続する予定です。

第2に、観察能力の向上ですが、生徒の中には、よく考えずに板書をノートに書き写すだけの子が多く、より主体的な学習が必要だと感じます。そこで、特に理科では、図表や実物を用いて観察させ、自分で考える機会を多く提供させています。また、身の回りの物を用いた実験を行えば、生徒が関心をもち、より深く考えることにつながっています。

第3に、国家試験対策の実施である。通常授業や小テスト、補講などで過去問を取り上げたり、協力隊主催の模試に参加させるつもりです。

第4に、理科クラブの創設である。簡単な実験を行うので、あらゆる学年の生徒が気軽に参加できるクラブにしたいと思っています。

第5に、ボランティア自身のスキルアップですが、教師会や授業研究などを通して意見を交換し、自身の授業を改善するようにしています。

A配属先とは、特に理科クラブの創設について頻繁に意見を交換しました。現在、私の学校では、一部のクラブを除き、活動が停滞しています。そのため、校長先生を筆頭に、クラブ活動の活性化が呼びかけられているところです。この機会に、私は、理科クラブの創設を提案しました。既に、JETSクラブや数学クラブも存在しているが、重鎮の先生が顧問をしており、私が活動を求めてもなかなか腰が上がらない状態です。そこで新たに、自分が中心となって行えるクラブを提案するに至りました。ここでは、身の回りの物を用いた簡単な実験を行うため、G7以下の低学年の生徒も参加できるようにするつもりです、この点につき、校長先生も賛同してくれました。早い段階で理科に関心を持てば、長期的な視点で、より理数科目の能力向上につながることが期待されます。

なお、配属先との意見交換の過程で、理数科担当の多くの同僚が、私から理数科目に関する新しい知識や教材の提供を望んでいることが分かりました。私の活動計画上は、直接的には生徒の理数科目の能力向上を目指していますが、同僚の授業力アップを支援することで、間接的にも生徒の能力向上につながるものと考えています。

B副校長先生がザンビア大学の大学院に復学するため休職するほかは、配属先の組織体制や活動の方向性に大きな変化はありません。

4.任国の人々との交流

(1)任地の人々の日本や日本人に対する意識について

任地の人々に「チョンチョリ」と呼ばれ、中国人に間違われることもあるが、全体的に、日本や日本人に対して良いイメージを持っているようです。ほとんどのザンビア人は、日本は発展したお金持ちの平和な国で、車を一人一台所有し、パソコン等の電化製品の質も高く、安価で購入できると思っています。日本の大震災の際には、配属先の同僚だけでなく、町行く見知らぬ人々も「家族や友人は大丈夫か?」と心配してくれました。また、映画の影響で、日本人は誰でも空手やカンフーができると思われており、それらを教えてほしいと言われることも多いです。

(2)任国の人々との交流

挨拶は交流の基本なので、任地の人々と積極的に挨拶を交わしています。小さな子どもたちや生徒が、”How are you”と声をかけてくれたときも、必ず応えるようにしています。平日は、生徒が家に数学の勉強をしに来ています。週末は、子どもたちとサッカーをして遊ぶことが多いです。日曜日に、同僚に誘われて教会に行くこともあリマすが、ターム休み中、同僚のファームに誘われ、一緒に自転車に乗って小旅行をしたこともありました。

5.任国の食事

任国ザンビアの食事は、シマ(メイズの粉をお湯に溶かして練ったもの)を主食とする料理です。私は好んでシマを食べており、ご飯と交互で一日おきに自分で作っています。たまに、サンポ(メイズそのものを煮た、ご飯とシマの中間でお粥のようなもの)も食べますが、ザンビア人に習い、シマのおかずとして、カペンタやイミンテーサなどの魚料理、イフィサーシ(かぼちゃの葉と挽いたピーナッツの粉を混ぜたもの)、カンドロヤクサシーラ(さつまいもの料理)なども作れるようになりました。

野菜は、トマト、玉ねぎ、レイプ(小松菜に近い)、キャベツ、チャイニーズ(白菜に近い)などは、一年中手に入りやすいようであるが、オクラ、ナス、カボチャ、ニンジン、キノコ類は、雨季以外はあまり見かけなくなりました。豚肉は少なく、鶏肉、牛肉は豊富です。鶏肉は、マーケットで既に切られたものを買うこともできますが、やはりザンビア人から、自分で絞めて捌く方法を学び実行しています。果物は、バナナ、パイナップル、スイカ、パパイヤ、グヮバ、(小さな)リンゴ、オレンジ、マンゴーなどがありますが、季節によって異なります。スイカは大きくてとても甘くて、鰺ヶ沢町にも負けません。とてもおいしく季節中、毎日のように食べています。また、報告します。

永井正彦

 
ヴィクトリアの滝を見てきました。ものすごい迫力・スケールです!地球がつくり上げた芸術でした。乾季だから、滝の姿がよく見えるものの、雨期は嵐の中を歩いているようで何も見えないくらいになるそうです。

 
谷底は深そうです           ザンベジ川の夕日が地平線に沈む光景です