その他の活動・出来事
「白神山地から生物多様性in東北」写真展の開催


2010年、COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)は、日本の愛知県名古屋市にて開催されました。その名古屋市の中日ドラゴンズの球団事務所がある、中日ビル(中区栄)の3階において、「白神山地から生物多様性in東北」という写真展を、10月18日(月)〜24日(日)まで開催し、延べ人数約2700名の方々に観覧していただきました。

 
激励に駆けつけてくれた三村申吾青森県知事        写真展の様子   

この写真展は、青森市の書道家、鎌田雨溪氏の協力で実施しました。会場では、鎌田氏の書画「白神山地」というメインタイトルが入り口に掲げられました。白神山地の大地を大島紬の布で表わし、上部は藍の布を使って、白神山地の山々のイメージを表現しています。

 
鎌田雨渓氏の書画。表装には大島紬を使用  白神山地の花々の写真に見入る観覧者

白神山地や動植物の大きな写真は、「津軽白神森林環境保全 ふれあいセンター」の協力で展示しました。特に今回は、白神山地の気候変動に伴う自然破壊を危惧し、当会が進めている「ブナの森復元活動」と、その活動を協働で実施している企業のCSR活動を紹介するとともに、白神山地と共生してきた「またぎの歴史」を紹介し、『生物多様性には、またぎの狩猟も大切である』と訴えました。

 
白神山地を代表するクマゲラには関心深い   自然との共生の代表者はマタギたち

 
白神山地の植林活動を支援する地元企業を紹介するコーナーでは、
地元企業の努力に対して、惜しみない声が寄せられました

白神の水を使ってお茶をたてて、秋田 みちのくの小京都 角館の銘菓「生唐土」(なまもろこし)とともにいただくという無料提供は、大変好評でした。

 
お抹茶と「生唐土」が無料で振る舞われました        今昔物語の一節

生物が多様に生息する森を残すことは、並大抵ではありません。この会議には、アメリカの有名な男優が駆けつけましたが、彼の言った言葉が素晴らしかったです。人間には自然が必要だが、自然は人間がいなくてもいい。人間界には苦労がつきものであるが、中道という自然と共に生きるという心を受け入れてこそ、豊かな感性や幸福な気持ちが彷彿すると考えます。

写真展の最後のコーナーでは、今昔物語の一節を通し、自然界を大切にする心を持って生物の多様性を大切にしようと訴えました。

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22日、永井代表は、公益信託日本経団連自然保護基金(KNCF)支援プロジェクト活動発表会の会場での講演がありました。【講演についてはコチラ】
三村申吾青森県知事の写真展観覧をご案内した後、生物多様性交流フェア・フォーラム(名古屋学院大学体育館1階小会議室)で講演をしました。

地球温暖化の影響で、東北ではブナの葉を食べるウエツキブナハムシが、秋田県と山形県の県境の鳥海山まできていることや、ブナ林の中の植物を滅ぼすカシノナガキクイムシが男鹿半島まで北上していることを紹介しました。また、ナラ枯れが今年は山形県内でも深刻な問題となっていることから、さらに北上すれば、白神山地のブナに影響を及ぼす恐れがあると訴えました。

生物多様性国際会議は、先進国と開発途上国との難しい課題がありますが、日本国として、議長並びに政府が多大な貢献をすることを期待します。