■司会:奥村潮
皆様、本当にようこそお越し下さいました。大雨の後の白神山地は、普段よりもっと雄々しくちょっぴりやさしげな中、皆様方でこれからブナの苗木を植樹してまいります。そして、今日と明日どうぞ、ごゆっくり白神の大自然の中でお楽しみ頂きたいと思います。本当にすごい雨で、遠いまちから何度もお電話を頂き、こちらからは大丈夫という勇気ある返事でしたが、皆様方本当にお越し頂いてありがとうございました。
それでは、実行委員会を代表致しまして、鰺ヶ沢町長でもいらっしゃいます長谷川実行委員会会長からご挨拶を申し上げます。お願い致します。
■実行委員会会長:長谷川兼己
定刻のお集まりで本当に感謝申し上げます。ただ今司会も申し上げました様に、非常に心配された雨も今朝方から晴れてまいりました。一言ご挨拶を申し上げます。本日「白神山地ブナ植樹フェスタin赤石川」を開催致しましたところ、青森県木村知事をはじめ、荻原東北森林管理局青森分局長、青森県議会冨田議長をはじめ、全国各地、そして遠くは大阪まで多数の方のご参加を頂き、ここに開催できましたことを心から感謝申し上げます。
私どもは、豊かなブナの持つ自然の環境システムを信じて、緑の回廊構想にある野生動物が安心して暮らすこともできる、広葉樹の森の再生に努力してまいりたいと考え、この事業を実施いたしました。森の再生のために、また里に住む人々の水環境、そして河川、海の漁業の存命をはかるため森をつくる運動、特にブナ植樹運動を展開している中で、本日の事業実施と相成ったわけです。
今日私達が植えるブナの苗木は、自然の恵みと皆様の愛情によってすくすくと育ち、100年、200年生き続けることを願うと共に、地球温暖化等の環境問題に対し、救世主となってくれることを望みたいを思っております。しかも今年は、国際エコツーリズム年、国際山岳年であります。この記念すべき年に白神山地にブナを植樹することで、自然のあり方や自然との触れあい、自らの人生観などを今一度考えてみてはいかがでしょうか。
最後になりましたが、この行事を実行するにあたり色々な方からご協力を頂きました。特に白神山地を守る会の永井さんには大変なご協力を頂きましたことを申し上げて、お礼の言葉にかえさせて頂きます。本日は皆様、誠にご苦労様でした。ありがとうございます。
■司会:奥村潮
ありがとうございました。皆様方の目の前が一段と高くなっていますよね。高くなっているところを少し刈り払いを致しまして、そこに皆様と植樹をして頂きます。今日はこれぐらいの5年くらいたった若木のブナを用意してございますが、植樹のメンバーの中に若木のような小さい方々もいらっしゃるのが大変嬉しいです。本当にようこそお越し下さいました。
それでは、この植樹祭に大変ご理解を頂きまして参加して下さりまして、今日はごゆっくりして頂けるというので嬉しゅうございます。青森県知事木村守男様からご挨拶を頂きます。
■青森県知事:木村守男
みなさんこんにちは。ようこそ全国からご参加下さいました。県民を代表して心からご歓迎申し上げたいと思います。このフェスタin赤石川に、実行委員長の長谷川町長さんをはじめ、関係者地元のみなさんに本当に心から敬意を表し、感謝したいと思います。また、分局長の荻原さんはじめ関係機関のみなさん方にも心から感謝したいと思います。
私達青森県は、この白神山地があることを誇りに思っております。21世紀は環境の世紀と言われており、そういう時代に生きる私達が絶大に思うようにして、この自然の恵みを、この青葉光る白神をいつまでも大切にしていきたい、こう思っております。ご覧なるとおり1993年に世界自然遺産登録を頂いております。このことに誇りを持ちながらみんなで心一つにして大切にしていきたい。今日はそんなあらたまる出発の日となれば嬉しい、こう思っております。
また、本年10月には世界自然遺産白神山地国際シンポジュームを開催致します。そして世界的な権威ある方々に来てもらって、みんなでディスカッションしてもらい、この白神をまた大きく世界中に発信していきたい、こう思っております。さらなる願いは三内丸山遺跡、縄文の歴史を塗り替えたと言われている、この三内丸山遺跡の自然文化遺産登録を目指していきたい。そのための10月のシンポジュームもまた発信の舞台とも生かしてみたい。こんなふうにも意欲的に思っております。
また私達青森県は、この白神に学ぶまでもなく私は21世紀の絶大に思いをしながら、ふるさとの森と川と海の保全及び創造に関する条例を、富田議長をはじめ県議会のご理解を頂いて、昨年末に全国に先駆けて森と川と海が一体でなければいけない、こういうことの心を一つにした私達は条例を制定させて頂きました。そういうことで環境先進県を、自然環境先進県をこれからも目指していきたいことを証明して、皆様方に対するご挨拶と致します。ありがとうございました。よろしく、よろしくお願い致します。
■司会:奥村潮
白神のエキスを吸うと知事のようにあんなに元気になります。どうぞ良い空気を吸って植樹してまいりましょう。
■青森県知事:木村守男
みなさんがそちらから歩いて来た時、二台のバスで来たのかな、その時皆様方の姿を見て、これは良い出会いになったなと思って心に詠んだことを洒落た言葉で披露します。
拍手はいりません。
「 白神の 露寒む道の 出会いかな 」
ありがとう。
■司会:奥村潮
ありがとうございました。
ここは国有林の真っ直中でございます。この中でのこの植樹祭の実施に大変ご尽力を頂きました、東北森林管理局青森分局荻原局長からご挨拶を頂きます。
■東北森林管理局青森分局長:荻原宏
みなさん、おはようございます。今、紹介頂きました様にここは国有林でありまして、皆様方からお預かりして私ども東北森林管理局青森分局で管理させて頂いております。一言まずご挨拶させて頂きますけれども、今日ここに「白神山地ブナ植樹フェスタin赤石川」に全国からたくさんの方がお集まり頂きまして、世界に開催されましたことをまずお祝い申し上げたいと思います。また、私ども色々全国で国有事業を行っているわけですけども、皆様方の色んな意味でのご理解、ご支援を頂いていることを、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。
森林というのは、皆さんご存じのとおり緑のダムだとか、あるいは二酸化炭素の吸収源、あるいは貯蔵庫としての役割を持っておりまして、国土の保全あるいは水資源の涵養、地球温暖化防止等の環境保全の機能を充分に発揮させていくことが必要なわけではありますけども、そのためには先人から受け継ぎました森林を適切に保全しまして、必要な整備を行いながらより良い姿で引き継いでいくのが我々の役目じゃないかと思っております。そのためには、森林林業の関係者もとより、山村の方々だけではなかなか森林整備というのは充分に行えない状況となっておりまして、幅広い国民の皆様の森作りへの参加、いわゆる国民参加の森作りが重要になってきております。そのような中で、要請機関であります鰺ヶ沢町とNPO団体であります白神山地を守る会が共同しまして、ブナ林を重要な自然環境及び貴重な源であるという認識の元に実施する今回のイベントが開催されますことは、関係者のご努力とこの行事の主旨に賛同し参加されました皆様に敬意を表すものであります。
私どもは、国有林と致しましても森林を国土保全、あるいは環境保全といいますか、人間が生活していくうえで欠かせないこうした機能を重視した管理経営に現在取り組んでいるところでございます。その一つとしまして、この開催地を含みます白神山地の世界遺産地域周辺の森林につきまして、森林の取り扱い区分、これを“機能累計”と私どもは申していますけども、これを遺産地域に隣接致しました11,000ヘクタールにつきまして、森と一つの共生林というふうな区分に今回見直しを致しました。その結果、このエリアにおきましてはブナ等の天然林は原則的に伐採はしないと。それから、杉の人工林も見て頂くとわかりますようにあるわけですけども、これも順次間伐を繰り返しながら天然に生かしていく考えでありまして、またさらに白神の良さを皆様方に理解して頂いたり、あるいは楽しんで頂くエリアとしても活用したりしたいと思っております。
それから他の取り組みと致しまして、森林の連続性といいますか、これを確保して生物対応性の維持といいますか、既に奥羽山脈の「緑の回廊」を全国的に今作っているわけであります。緑の回廊はだいぶ前に作られたわけですが、昨年白神山地のこのエリアから八甲田まで結びます緑の回廊を設定致しました。これからは、いわゆる生存関係の保全といいますか、中の広葉樹を増やしていくとか、あるいは鳥獣保護区にしていくとか、そういう質的充実に取り組んでいきたいと思っております。
これからも国民の皆様に親しまれる国有林として努力してまいりますので、皆様のご理解、ご協力をさらにお願いする次第でいます。今日植樹されますブナが立派に育ちますと、赤石川流域の多様な動植物が育まれまして人々に安らぎを与える森となります。
今日参加の皆様、これからも是非森作りに取り組んで頂きまして、森林の良さを楽しみながら森林の姿、働きを理解して頂ければと思っております。また、遺産地域を中心とします白神山地の森林につきましては、国、県等の関係機関ばかりではなくて、ボランティアの方々の参加も得ながら保全整備を図っていくことが望ましいと考えておりますので、今後ともこのような取り組みを是非引き続きお願いする次第でございます。
最後になりましたが、この「白神山地ブナ植樹フェスタIN赤石川」の開催が契機となりまして、このような活動が全国的に広がりまして当初の目標が達成されますことを記念致しまして、お祝いの挨拶とさせて頂きます。今日はよろしくお願い致します。
■司会:奥村潮
ありがとうございました。赤石川の河口付近の川はすごい勢いでしたね。ちょっと土色になっていたんですけども、森の中に入りましたらもう清流でしたね。やっぱり森の力はすごいんだなと思いました。地元ご出身でいらっしゃいます富田青森県議会議長からご挨拶を頂きます。
■青森県議会議長:冨田重次郎
おはようございます。今日は「白神山地ブナ植樹フェスタin赤石川」が開催されるにあたりまして、県を代表して一言お祝いを申し上げます。本日ご参加の皆様方には、日頃から本県の六ヶ推進、県民の六ヶ思想の普及、啓蒙等に多大なご尽力を賜っておりますことに対して、深く感謝申し上げる次第でございます。
さて、我が国は古来より緑の山々と清らかな水に恵まれ、先人から受け継いだこの美しい豊かな自然を心のふるさととして、多くの伝統的な文化を担い、心の豊かさを求めてきたところであります。しかし近年急速に都市化が進展する中で、貴重な緑が減少し自然環境が破壊されつつあることは誠に憂慮すべきことであり、地球環境の保全に大きな役割を果たしている森林を守り育て、より豊かなものとしていくことが重要であると思います。
このような時に、広大なブナ原生林が広がる自然郷、世界自然遺産白神山地の奥深さを源とする、ここ赤石川上流において白神の自然や地球温暖化問題をはじめとする地球の自然環境について考え、環境に対する認識をさらに深めてもらうことを目的に植樹行事を行い、この郷土の六ヶ推進と六ヶ思想の高揚に努めることは、誠に意義深いものです。私ども県政を、みちのくを担う者と致しましても、森や木を健やかに育てるために積極的に植樹活動等を展開する所存でありますので、どうか皆様方におかれましても豊かな郷土作りに格段のご尽力をお願いする次第であります。
終わりに、本植樹フェスタ開催にご尽力を頂きました、鰺ヶ沢町及び白神山地を守る会をはじめとする関係各位に心から感謝申し上げると共に、ご参加の皆様のご健勝ご活躍を記念致しまして、お祝いの言葉と致します。今日は本当にご苦労様でした。
■司会:奥村潮
ありがとうございました。今日は、植樹にご参加なさる方々の他に、県とか営林局とか色々とご来賓の皆様方がお見えでございます。どうぞ自分を励ますためにもありまして、ご挨拶を頂戴した皆様にもう一度拍手を送りたいと思います。ありがとうございました。
それでは、植樹に入る前に白神山地を守る会代表の永井の方から、今日は何をするのか、どういう物を使ってどうすればいいのか、ということをご説明申し上げます。永井代表でございます。よろしくどうぞ。
■白神山地を守る会代表:永井雄人
みなさん、こんにちは。白神山地を守る会の永井です。今日は、本当に遠い所からありがとうございました。私の方からは、今日植える5年もののブナがこれですが、これを皆さん方に植樹して頂きます。
植え方をちょっとご説明致しますけども、この真ん中に穴が空いていますので、ここに指を入れて頂いて逆さまにしますと、これが取れます。これを、ちょっと少し土を柔らかくして頂いて、それで道具が「トガ」といいますが、これで20p程掘って頂きます。その土をまた戻しますので、掘りましたらこれをポットからはずして頂いて、中に入れて頂いてその土をかぶせて頂きます。その植える時に、一番上に枝とか草がありますがそれは寄せて頂いて、なるべく土に植えた時に空気が入らないようにして頂いて、植えて頂きたいと思います。そして、足で周りをガチガチにならないように自然に固めて頂きたいと思います。それが終わりましたら、こういう手ノコがありますが、このボタンを押しますと開きます。
作業が終わった人は、周りの杉とかの枝打ちをして頂いて、林業体験も少しして頂こうと、こういうふうに思っております。是非、数多く植えて頂いて、しっかりと楽しんで頂ければなと思っておりますので、よろしくお願い致します。
■司会:奥村潮
皆様方が植えればちょうどいいなと思う所に、こういう笹竹に赤く塗ったものが差してあります。そこを掘って下さい。結構密集していますので、おかしいなと思わなくて結構でございます。この竹が立っている所を掘って植えて下さいませ。それでは、お手本をご来賓の4人の方々に見せて頂こうと思います。一番手前の方に特別に15年程育った若木をご用意致しました。そして、その後に皆様方に植樹をして頂きますが、その時には先程もご紹介致しました、色別ごとにコーナーを分けております。赤い方は、赤いテープではられた場所で、緑、青、黄色と自分の色を確認なさって下さい。
午後の散策コースですが、くろくまの滝のコースが赤で左の奥になります。この高台の奥です。津軽峠コースは青で右の奥になります。そして、保存林コース散策を選ばれた方は、左手前の緑色のコースです。津軽森を散策なさる方は、黄色で右手前のコースになります。
知事さんはおうちが農業をやっておりましたので、手さばきがよろしいようです。これが15年から20年までいくかいかないかというような木です。
今日は、大雨のおかげで大変土が柔らかくなっていますので掘りやすいと思います。夏の炎天下の植樹は、ホコリが立ったりして掘りにくく大変なんですよね。今日は、ふっと濡れた土が根っこを包んでくれるような気が致します。
お手本の植樹が終了したようですね。さっ、それではご自分の木を植えましょう。けっこう時間がかかりますが、これからお昼ぐらいまでで、今日植える目標は500本でございます。今日の冷たさは、10月頃の冷たさではないかしらと思います。一汗かきましたら、今日は料理上手の鰺ヶ沢婦人部の皆様方があったかい山菜汁を用意して下さいましたので、楽しみにして植樹を楽しみましょう。
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